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【歳時記_05】大暑 2019

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昨年に比べれば、涼しいくらいの7月であるけれど、今年も大暑を迎えた。 昨年同日に熊谷では観測史上最高の41.1℃を記録するなど、異常なほどの暑さだった記憶も薄れてしまっている今日この頃。 2019年はもっとすごいことになるのではと迎えた今年。 蓋を開けてみれば梅雨らしい7月ではあるものの、今度は日照不足である。 暑すぎるのは困るが、これほど晴れない7月も困りものである。 今週中には梅雨も明けるようだが、急に暑くなっては体もビックリしてしまう。 来年のオリンピック・パラリンピックはどんな感じになるだろうか。 その前に今年の8月の暑さを乗り越えなければ。 また寝不足の日々が続くのだろうか。。。

【歳時記_04】清明 2019

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清明とは「清浄明潔」の略。 4月5日頃とされているので少し過ぎてしまいましたが、「暦便覧」には「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也」とあり、草木が芽吹き始め、万物がすがすがしく明るく美しい頃とされる。 しかし今年の春は暑かったり、寒かったりの繰り返しで、いつも以上に不安定な天候が続いている気がします。 お花たちも咲いてみたものの、急に寒くなったり暑くなったりしてびっくりしているのではないでしょうか。少しずつ気候が変化しているのか、それともたまたまなのだろうか。 ただ気のせいかもしれませんが、花や新芽が場所によってばらつきがあるように今年は街を歩いていても感じます。これが日当たりによるものなのか、天候によるものなのかわかりませんが、少し心配です。 自然はコントロールできるものではないので、できるだけ負荷をかけるような生活は抑えていくことがますます大切になってきます。次世代にちゃんとバトンタッチできるように考えていければと思います。 今年の春もあっという間に過ぎて行きました。これから徐々に暑くなってくると思いますが、四季折々の季節感を大切にした住まいのあり方、住まい方を考えつつ、環境の変化を少しでも感じ取れるような敏感な自分でありたいですね。

【展覧会レポート_02】子どものための建築と空間展

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先日、パナソニック汐留ミュージアムで 24 日まで開催されている「子どものための建築と空間展」に行ってきた。展覧会概要には「私たちが子どものとき過ごした空間は、原風景として長く記憶にとどまり、その後の生き方や考え方の形成に与える影響は少なくありません」とある。確かに自分自身を振り返ってみれば、小学校はすでに鉄筋コンクリート造の建物でしたが、中学は 2 年まで木造校舎で過ごしました。その経験とともに地元には日本最古の洋風木造校舎が残っていることもあり、自然と木造校舎には惹かれる自分がいます。 明治から始まる近代教育その時代のニーズや時代背景 明治、大正、昭和、平成という時代を通じて子どものための建築のあり方の変遷を見ることができた。 展示されていた建築のうち、いくつかは実際に見学したこともある。 また設計事務所に勤めていた時、担当ではなかったが、基本コンセプトの形成から竣工に至るまで、小中学校の設計の大変さ知っているので、そこに込められたいろいろな人たちの思いを少なからず感じる取れた気がする。 中でも和歌山県の橋本市立高野口小学校は 1937 年(昭和 12 年)にできた大規模木造の小学校で、重要文化財に指定され、現役小学校として使用されていることに感銘した。時代変化が激しい現代において 80 年以上経過してもなお、使い続けることはなかなか難しいことである。地元では改修か建て替えか議論もあったようだ。 単純に文化財的価値があるからといって残すにも地元に住む人々の声は十分に聞くべきである。今後、古い建物の活用方法については単純に建て替えをするだけではなく、用途変更によってよみがえることも可能であるから、様々な視点から考慮すべきであろう。 展示にはありませんでしたが、日本最古の現役木造校舎として知られていた高梁市立吹屋小学校は、児童数の減少によって 2012 年3月に廃校になりました。しかし文化財的価値を後世に残すために 2020 年には資料館としてオープンする予定だそうだ。 展示には現存しないものも含まれてはいたが、できれば学び舎はいつまでも残っていてほしい建築の一つだと思う。 展示内容は建築の図面や模型だけでなく、遊具や教育玩具、絵本の原画なども展示されていて幅広い展示内容となっていました。 きっとこんな学校に通っていたら、通ってみたかったという建築が

【歳時記_03】春分 2019

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今日は春分の日。 立春から春分の間に吹く風速8m/s以上の南風で、前日よりも気温が上昇する状態だと記憶しているが、今日はかなり風が強いけれど、春一番なのだろうか?と思っていたら、もう既に関東では春一番が吹いていた。 中国地方は今日、去年より35日遅い春一番が吹いたということだ。 前日、お預けになっていた東京のソメイヨシノも開花しました。 平年より5日早く、昨年より4日遅い開花だそうだ。来週末が満開ですね。 いよいよ春本番です。

【コラム_05】東日本大震災から8年が経過しました。

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東日本大震災が発生してから8年が経過した。 いまだ避難生活を余儀なくされている方も多くいらっしゃる。 震災後2ヶ月目に書いた文章を改めて、自分自身にその時の気持ちを忘れないようにここに再掲することにしました。 マグネチュード 9.0 という観測史上最大の地震が発生して早くも2ヶ月が過ぎました。
当初は目の前にあったはずの町が津波によって一瞬にして瓦礫の山と化し、日常生活を奪いさる映像を目の当たりにして、為す術もない人間の無力さにただ呆然とするばかりでした。しかし時間の経過とともに復旧から復興へと気持ちがシフトしてきている被災地の様子をニュースで見ていると逆に勇気づけられる思いです。
気象庁によれば5月6日15時現在、これまでに発生した余震は、M 7.0 以上は5回( 7.7 、 7.5 、 7.4 、 7.1 、 7.0 )、M 6.0 以上は 76 回、M 5.0 以上は 444 回です。また、最大震度4以上を観測した余震は 140 回ということです。過去におきた他の地震に比べ余震の多さは桁違いで、まだ今後も大きな余震が起きる可能性もゼロではない状況にあります。日本がいくら地震国とはいえ、これほどの回数の地震は未経験で、過去の同規模の地震からすれば最大余震は本震―1程度の規模が多いといわれていて、今回もまだ安心していれる状況にないので注意が必要です。
 地震発生時、自分はちょうど外を歩いていた最中で、建物から人があわててたくさん出てきたので一瞬何が起こったのか分かりませんでした。ところが目の前のペンシルビルが隣のビルにぶつかるくらい揺れ、ガラスが音を立て今にも割れそうな勢いだったので、すぐその場を離れ、広い通りにでました。すると中高層のビルも大きく揺れていて、これはただ事ではないとその時感じました。自分でも意外と落ち着いていたのですが、もしこれが建物の中や高層ビル、地下やエレベーター、電車の中などであったらどうだっただろうか、と思うとあまり想像したくはないけれど、パニクっていたかもしれません。 今考えると外を歩いている最中は、揺れに対しては鈍感だったのが幸いして落ち着いていれたのかもしれません。家に戻ってみると意外と物が落ちていなかったので安心しましたが、テレビの画面に映し出された映像からはその事の深刻さに目を奪われ、報道している側の緊迫感が

【展覧会レポート_01】インポッシブル・アーキテクチャー展

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先週の日曜日に埼玉県立近代美術館で開催されている「インポッシブル・アーキテクチャー」展に行ってきた。 約5年ぶりになるだろうか、天気も良く日曜日とあって、公園内は多くの子供連れの家族で賑わっていました。美術館も混雑しているかと心配しましたが、思っていたほどの混雑もなく、じっくり見ることができました。 ご存知の方も多いと思いますが、建物は黒川紀章氏による設計で、格子状の外観が特徴的です。今から35年以上前の1982年に開館しました。また公園内には黒川氏が設計した中銀カプセルタワーの住戸ユニットが野外展示されています。興味のある方は北浦和駅からすぐ近くなので、訪れてみるのもいいかもしれません。 そう言いながら個人的には、今までは訪れる機会が少なかった美術館のひとつです。見てみたい展覧会があまり開催されないのも一つの理由かと思う。常設展もあるのでたまに足を運べばいいのだけれど、なかなか行けてませんね。 埼玉県内にある県立の美術館はこの近代美術館だけで、公立、私設の美術館を合わせても関東の他県に比べると少ない県です。 人が集まる話題の展覧会を開催するのは苦労も多いけれど、駅前のアクセスのしやすさを考えると、もう少し話題性の高い展覧会が多く開催されればと内心思っています。 さて前置きはこのくらいにしましょう。 「インポッシブル・アーキテクチャー」展ですが、タトリンの第3インターナショナル記念塔、ブルーノ・タウトのアルプス建築、ミースの摩天楼のコンペ案、メタボリズムにアークグラム、そしてデコンストラクティビズムと学生時代に学んだ建築、そして同時代の建築作品も並んでいた。少し学生時代の復習をしている感じもしたし、中には勉強不足で知らない作品も展示されていました。 タイトルであるインポッシブルとは単純に訳せば不可能ということだが、そこに込められたメッセージはなんだろうか。 カタログにある主催者のあいさつ文にはこうある。 「建築の歴史を振り返ると、完成に至らなかった素晴らしい構想や、あえて提案に留めた刺激的なアイデアが数多く存在しています。未来に向けて夢想した建築、技術的には可能であったにもかかわらず社会的な条件や制度によって実現できなかった建築、実現よりも既存の制度に対して批評精神を打ち出す点に主眼を置いた提案など、いわゆるアンビルト/未

【歳時記_02】啓蟄 2019

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今日は二十四節気の啓蟄。 大地が温まり、冬眠をしていた虫たちが穴から出てくる頃とされ、「暦便覧」には『陽気地中に動き、ちぢまる虫、穴を開き出ずればなり』とあります。 確かに自分自身の体の動きも少し良くなってきているし、空気も真冬の冷たさというよりも春の暖かさを感じ始めています。 気温も冬に比べれば高くなっているし、暦の上では春が近づいてきている。しかしまだ寒い日もあり、寒暖差が激しい日々が続きそうですね。 こういう時期の体調管理にはお気をつけください。 あと2週間もすればソメイヨシノが開花するし、春本番まで少しの辛抱です。 さて今年の桜はどこに行こうかなぁ。

【Topics_02】住みたい街ランキング2019

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先日、「住みたい街ランキング2019」関東版が発表されましたね。 1位、2位、3位は昨年と同様の横浜、恵比寿、吉祥寺という結果となっています。 注目すべきは、4位に昨年9位の大宮が入り、浦和も昨年10位から2ランクアップの8位と、ともにランクアップしていることです。 利便性は昔に比べれば上がっているし、住みやすい環境が出来上がってきていると思います。また商業施設の進出によって、わざわざ都心に出向いて買い物しなくても良くなってきているからかもしれません。 特に浦和は近年、駅周辺の開発によって元々ある伊勢丹に加え、PARCO やアトレができたり、駅がリニューアルして新宿湘南ラインが停車したり、かなり利便性は上がっています。 他にもリムジンバスなどの羽田空港へのアクセスの利便性の向上や特に大宮駅はエキュートによる駅ナカの充実と東北・北海道、山形、秋田、北陸・上越新幹線が停車するため、ハブステーションとしての役割も大きく、今や東日本への玄関口となっています。 まだまだベストテン入りした他の街に比べてオシャレ度は高くはないように思えますが、注目されているだけでも嬉しいですね。 奇しくも埼玉県がディスられまくっている『翔んで埼玉』が大ヒットしている中でのランクイン。まだ映画は見ていませんので、感想等は書くことはできませんが、埼玉県や埼玉県の街が注目され、住みたい街ランキングの常連になってくれればと思います。 東京のベッドタウンとしての役割を担ってきた街ではありますが、他の地域に比べ全国的に有名な名所、名物が多くあるわけではないので、これから魅力ある街であり続けるためにはいろいろと大変な面もありますが、さらなる魅力度アップに期待したいですね。 「住みたい街ランキング2019」関東のベストテンは以下のランキンキングになっています。 1(1) 横浜 2(2) 恵比寿 3(3) 吉祥寺 4(9) 大宮 5(7) 新宿 6(4) 品川 7(8) 目黒 8(10)浦和 9(6) 武蔵小杉 10(14) 鎌倉 11位池袋がベストテン落ち 詳しく知りたい方は こちら を参考に

【コラム_04】住宅の設計に関わって

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平成も残りわずかとなりました。 4月には新元号が発表されます。 この30年間振り返ると、技術の発達が目覚ましく、ライフスタイルも変わり、同時に価値観も変わってきたように思います。アニメの世界だと思っていたものが実現したり、ヴァーチャルな世界が現実以上にリアルだったりします。来たる新時代、どうなるのか期待と不安が入り混じっています。 気づけば住宅の設計に携わって四半世紀以上が経ってしまいました。 あっという間だったように感じます。 平成も30年通じてみると、ずいぶんと社会が変わってきたように思います。 そう感じるというのは自分自身が年を取ってきた証拠かもしれません。 社会が変化すれば、それに伴って価値観やそれを取り巻く環境も変わってくるのも当たり前のことかと思います。 日本は世界稀に見る災害大国ですが、中でも平成の30年間は大きな自然災害が多かったように感じます。設計に関して言えば、大災害が起きるたびに設計基準も改善され、厳格化され、スペックアップもしてきました。もう一方で社会変化のスピードとニーズに応えるためにその歪みが露見し大きな社会問題になることも多々ありました。こうして様々な外的要因により 建物に求められる基準が変わって、基本性能の向上が図られてきました。 これまでグレーだった部分をはっきりさせ、曖昧さをなるべくなくそうとし、緩和できるものは緩和したり、新しく法制化されたものも多くあります。 ある意味、設計環境が整備されたことで良い方向に向かってきたと言える部分がある一方で、複雑になりすぎて煩雑になり、人によって解釈が異なることも時折あり、行政によって判断が違うケースで戸惑うこともあります。まだまだ改善の余地は多くあるとは思いますが、今後変わっていくとは思います。 またここ20年ぐらいのコンピューターの進歩は設計する側としてはより精度の高い図面を書くことができ、様々な造形を生み出すことが可能となったと言えます。 しかし一人でも多くの図面を描くことができるため、昔に比べ検討可能項目が増え、作業量自体はコンピューター化による効率化以上に増加している。 さらに性能の見える化が求められる時代となり、計算により数値化された設計が求められるようになったと感じています。 住宅性能表示制度ができて20年弱、時代と

【説明会_01】消費税増税に伴う住宅支援策

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消費税が8%から10%へアップするまであと7ヶ月あまり。 先週、大宮ソニックシティで行われた消費税増税に伴う住宅支援策についての説明会を聞きに出かけてきました。 そもそも住宅に消費税をかける必要があるのだろうか?という疑問はあります。 なぜなら諸外国を見てみると消費税がゼロという国があり、また税金がかかっていたとしても軽減税率の対象となって、税率が低く設定されている国もあるからです。 日本では住宅は耐久消費財としてみなされていることから、税率がそのままかかっています。消費者にとって住宅は一番高価なものであるし、必要不可欠なものでもあります。このままの状態が続けば、今後税率が上がった場合、1/4、もしかしたら1/3が税金になることも考えられます。そうなると家を建てたくても建てられない時代が来るかもしれません。支援策をいくら施しても、現在の状態は建設時に結局、消費税を支払うことになるので、イニシャルコストは高くなっていくことに変わりはありません。 住宅の消費税のあり方については、おそらく今まで色々議論はされてきてはいると思うのですが、多くの分野に複雑に関連するため、なかなか議論が進まないの、もしくは時間が足りないのが現状ではないかと思われます。 個人的には住宅にかかる消費税はゼロでもいいとは思っていますが、現実的にゼロになるとは現状考えられませんので、せめて軽減税率の対象にするのが適切かと思います。議論が途絶えることなく、この先、進展することを願っています。 さて話が逸れてしまいましたが、今回は消費税が2%上がった際、どのような対策が取られているかを詳しく知りたくて説明会に参加してきました。 今回の説明会は「消費税率引き上げに伴う住宅取得支援制度及び省エネ等良質な住宅・建築物の取得・改修に関する支援制度等説明会」と題していたのですが、前者が主たる内容だと思いきや、時間配分としては1/3程度でした。 後者の内容も重要だと思っていますが、せめて半々でも良かったのではと感じました。 この手の説明会は周知目的のため、理解する前に終わってしまうパターンが多く、その場で理解するには詰め込みすぎの内容になっているケースがほとんど。登壇者も配布資料の読み上げで手一杯となり、多少の質疑は受け付けても後日回答ということが多い。もっとわかりやすくできない

【コラム_03】タウトの建築

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今回のコラムでは昨年訪れた建築について少し触れてみたいと思います。
 一つは夏に訪れた静岡県熱海市にある重要文化財にもなっている旧日向別邸ともう一つは冬に訪れた桂離宮です。
この二つの建物に共通する人物といえば、ブルーノ・タウトです。
 ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、簡単にご紹介すると、ブルーノ・タウトは日本では桂離宮を再発見したといわれた建築家です。 1910年のライプツィヒ国際建築博覧会での「鉄の記念塔」や1914年のドイツ工作連盟ケルン博覧会における「ガラスの家」などで評価され、ドイツ表現主義の建築家として世界的に知られています。
タウトが亡命という形で日本にやってきて滞在したのは1933~36年のわずか3年あまり。当時は建築家としての仕事もほとんどなく、ひたすら書き物をし、その間に多くの著書を残しました。
 2008年に ベルリンの 6つの モダニズム集合住宅群 が世界遺産に登録され、そのうち4つがタウトの設計です。それをキッカケに近年再評価されています。 個人的には馬蹄形をした特徴的なブリッツのジードルンクは学生時代に写真を見て印象的な建物として記憶に残っています。これらのジードルンクは当時、労働者のための住宅不足を補うためにローコストで大量に供給をしなければならない社会状況の中で造られました。タウトは直線的で白い箱の均一的なモダニズム建築でなく、曲線を用い、色彩豊かなファサードで景観にリズムとアクセントをつくり出し、単なる労働者住宅とならないようにデザインをしています。
築90年近く経つ現在も大切に住まわれていることを考えると、設計する側だけでなく、住む側の気持ちも環境を維持して行く上では大切だということがわかります。それがまた文化遺産まで押し上げたのかもしれません。
こうした世界的に著名な建築家であるブルーノ・タウトの作品が日本で見られるというのは貴重です。 
この旧日向別邸を何で知ったかは記憶が定かではありませんが、ブルーノ・タウトの設計による建築が熱海駅から歩いて10分もかからない場所で、相模湾を一望できる立地に現存していて現在一般公開しているという情報を知って見学してきました。 施設を見学するには予約が必要で、入館料 300 円、所要時間は1時間程度です。
地下1階木造2階建の建物は地上部分の

【Topics_01】建築物省エネ法の改正案が閣議決定されました。

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「パリ協定」の発効等を踏まえ、住宅・建築物の省エネ性能の一層の向上を図るため、2月 15 日に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定されました。 「パリ協定」では世界の気温上昇を 2 度より十分に低く保ち、 1.5 度に抑える努力をする目標を掲げ、世界規模での対策を行うこととしています。批准した日本は中長期計画として「 2030 年度までに、 2013 年度比で、温室効果ガスの排出を 26 %削減」し、 2050 年には、 80% 削減することとしている。 各国削減目標とする基準年度や指標がバラバラなので、この数値がどれほどのものかわかりにくいのですが、日本の世界における温室効果ガス排出量シェアは 2016 年で 2.7% になっています。 今回の改正案では、4つの措置が講じられています。 1.   オフィスビル等に対する措置  ・省エネ基準への適合を建築確認の要件とする建築物の対象を延床面積 300 ㎡以上に拡大。  ・省エネ性能向上計画の認定(容積率特例)の対象に、複数の建築物の連携による取組を追加。 2.   マンション等に対する措置  ・監督体制の強化によって省エネ基準への適合を徹底 3.   戸建住宅等に対する措置  ・小規模住宅・建築物の設計者(建築士)から建築主への説明義務化  ・トップランナー制度の対象に、現行の建売戸建住宅を供給する大手住宅事業者に加えて、注文住宅・賃貸アパートを供給する大手住宅事業者にも拡大。 4.   その他の措置  ・気候・風土の特殊性を踏まえて、地方公共団体が独自に省エネ基準を強化できる仕組みを導入。 これらの措置により、新築住宅の平均エネルギー消費量を 2013 年度比で 2025 年度 25% 削減、 2035 年には 35% 削減を目標にしています。 今後の動きを注視しながら、設計に取り組んでいきたいと思っています。

【歳時記_01】雨水 2019

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今日は二十四節気の「雨水」です。 1787 年に江戸で出版された暦の解説書である『暦便覧』には、「陽気地上に発し、雪氷溶けて薄いとなればなり」と記され、空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶けはじめる頃とされています。 昨年末から暖かかったり、寒かったり気温が乱高下を繰り返し、体調管理に気をつけながら過ごす日々が続いていましたが、ようやく春の入り口が見え始めた感じがします。 暖かくなり始めたとはいえ、まだ積雪するような雪は降ってはいませんが、3月に降ることもあるので油断は禁物ですね。このまま降らずにいて欲しいのですが。 昨日から確定申告が始まり、初日に申告を済ませてきました。 毎年のこととはいえ、やはり慣れません。 申告 会場には多くの人の行列でしたが、30分ほど並んで申告できたので良かったです。 とにかく今年も改めてスタートする感じですね。 歩いていると日陰ではまだ冷たい空気でしたが、日向では春の暖かさを感じました。建物の中は暑く感じるところもありました。今日はあいにくの天気ですが、明日は一段と春に近づいた気温になりそうです。 最近は季節感が薄れてきているように感じますが、先人が持っていた感性を忘れないように、暮らしの中で感じていきたいですね。 design studio bAOBab

【コラム_02】デザインとメンテナンス

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(2010.4.17付コラム再掲) いつどこで初めて東京カテドラルの写真を見たか記憶が定かではないが、とても印象的だったことを覚えています。
おそらくそれから頭の片隅の一度見てみたい建物の一つになっていたのだと思います。しかしなかなか機会がなくて、やっと見学する機会が出来ました。 大改修を終えたばかりというものの竣工から 40 年以上経過しているにもかかわらず、これほどダイナミックでシンボリックな建物はその洗練されたフォルムから来る力強さ、逞しさを感じさせる作品は数少ない。
 この東京カテドラル聖マリア大聖堂は 1962 年に丹下健三、前川國男、谷口吉郎の三氏によって指名競技設計が行なわれたのはご存知の方も多いと思います。(わたしは 2005 年の前川國男展まで知りませんでしたが)当時の記事によれば、教会サイドの要望は鐘塔を設けること、および立ち席を入れて約 2,000 人(椅子席 500 ~ 800 )の聖堂を建設する 2 点だけで、その他のレイアウトはすべて建築家の自由にまかせられたということでした。
3案を比べて見てみると前川案や谷口案に比べて、実現した丹下案は、垂直にそびえる HP シェルを用いて構成した巨大な十字架がシンボリックに宗教建築を表現し、両巨匠の案を圧倒していると感じました。
 当時の丹下さんは「現代建築にもシンボルが必要なのではないだろうかと考えるようになり、ちょうどこの東京カテドラルを設計している時、私はこうしたシンボル論を考えていた」(「いくつかの経験」丹下健三  SD8001 )というように、戸塚カントリークラブ・クラブハウスや日南市文化センター、香川県立体育館、東京オリンピック国立屋内総合競技場といった建物を設計し、空間と象徴という課題に取り組んでいた時期でもありました。 また作品集のタイトルである『現実と創造 1946-1958 』から『技術と人間 1955-1964 』へというタイトルからもわかるように、戦後の荒廃し、廃墟化した日本の現実を直視し、そこから立ち直り、いかに発展して行くべきか取組まなければいけない時代にあったこともこのデザインへと導いたのかもしれません。
 コンペには負けたものの、前川さんが残した東京カテドラルのスケッチを見るとデザインの思考プロセスを垣間見る事ができ、試行錯誤を繰り返し、生みの苦しみを感じな

【展示会レポート_01】

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先月の29、30日の2日間開催されていたモクコレ2019に初めて行ってみた。 今年で4回目になるそうだが、1都2県で始まったイベントも40都道府県が参加する木材を中心とした一大イベントになったようだ。 何か新しい発見、情報を得ることができるか期待を胸に久々の東京ビッグサイトへと向かった。 毎回思うことではあるけれど、このエリアは相変わらずの強風で、まっすぐ歩けないところもあり、会場まで着くまでが難儀である。 他には別のイベントが重なると駅から大変な混雑で、行く気が無くなってしまう。今回はたまたま少なかったのか、会場までとビッグサイトに入ってからも混雑なく行けた。というわけでいつもビッグサイトで開催されるイベントは思い出したかのように時々ちょっと行ってみようかということが多い。 さて今回のモクコレはいつものイベントの開催場所とは異なり、一番奥のエリアでの開催で、 建物の規模が大きいので仕方ないのであるが、 入り口からかなり遠かった。建物の中に入れば暖房も効いていて暖かいのであるが、 この巨大なキャパの施設を温めるエネルギーはどれぐらいなのだろうかと思うくらい暑く感じた。 話を戻して、モクコレは建材展などど違い、メーカーの出店というより各森林組合や行政などそれぞれ取り組んでいる様子が主に紹介されていた。 加工技術を生かした木材製品も多く、面白そうなものもあった。中には設計で活かせそうな商品もありました。結局、2時間くらい会場をうろつきながら見て回った。しかし各県でブランド化された杉材が多くみられたのだが、育つ環境は違えども同じ杉材。大きな違いがあまり見られなかったように感じた。産地が多すぎて、選択する際に何を基準で選ぶかということがわかりづらい。 もしかしたらもう存在するのかもしれませんが、 ジャパンブランドとしての杉材というものがあっても良いのかな。とにかく多くの産地が存在する日本は森林大国であることは間違いない。 その中で今回注目していたのが、ツーバイフォー材の国産化の動きである。以前から国産材ツーバイ材に興味があり、そういう活動に参加している。モクコレでは国産材のツーバイフォー材の活用に取り組んでいる群馬県や鹿児島県などがブースを出展していて、多くはないけれど実際に動き出している県がある。 現在、ツーバイフォー材はそのほとんどが輸入に頼っている、

【コラム_01】石見銀山を訪れて

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昨年5月に島根県の石見銀山を訪れる機会を得ました。
 ご存知のように2007年に世界遺産に登録され、登録前後にかなりの観光客で賑わっていたのをテレビを通じてご覧になった方も多いと思います。観光客のピークは少し落ち着いたものの今でも多くの観光客が訪れる場所となっています。 しかし観光客の増加とともに、普通に暮らしていらっしゃる方々にとっては暮らしが一転し、昼間から閉め切ってしまうお宅も多くみられました。日常と観光を両立する難しさを感じました。確かに観光客の中には観光地だからといって勝手に家の中に入ってきてしまう方もいるそうで、今までオープンな暮らしをしてきた人たちにとっては迷惑な話なのかもしれません。ただこの地域には宿泊施設が1カ所しかないためか観光客のほとんどは温泉津に宿泊され、夕方にはお客もまばら、ここがまさか世界遺産のまちとは思えないほどひっそりとしていたのも印象的でした。
 また島根県といえば日本三大瓦産地の一つ赤い石州瓦が有名で、今でも歴史のまちなみが残る大森町には昔ながらの登り釜で焼き上げた自然な色むらのある瓦屋根が残っていました。しかし新しく葺かれた屋根は均一で、同じ瓦屋根であってもだいぶ印象が違って見えました。 この地域は今でこそ世界遺産とはなっていますが、他の地方と同じように人口は430人の小さなコミュニティで過疎化が進んでいた地域でもあります。その場所に松場大吉さんと登美さんのお二人が中心となってやってらっしゃる洋服ブランドの「群言堂」で有名な(株)石見銀山生活文化研究所の本社と群言堂本店はあります。洋服は女性物が中心ですが、単に洋服だけでなくそこから広がるライフスタイルに係る物をこの場所から全国にむけて発信していることはとても興味深く感じていました。 また茅葺きの古民家を広島から移築し、それを社員食堂にし、本店に20年近く、阿部家の改修に10年という時間をかけながら、多くのリノベーションを手がけています。それは単なる改修ではなく「復古創新」という言葉に表れているように、古い物を活かしながらその時代にあった新しいものを生み出していくことを実践され、それが日常生活に直結したところにあるのが、ちょうど自分たちが求めようとしているスタイルに近いと感じていたところでした。 ここ1~2年、今まで以上に意識的に自

リニューアルオープンです。

はじめまして、デザインスタジオ バオバブの鈴木です。 さいたま市を拠点により良い住環境づくり、住まいづくりを心がけて、住宅の設計を行っています。 ホームページ上のコラムのブログ版という形で、ホームページ上で紹介しきれないライフスタイルに関する日々の情報やオンタイムの情報、また住宅に関する情報をご紹介できたらと思っています。 上来的には定期的更新できればと思っていますが、とりあえず最初は不定期な更新となると思いますので、ご了承ください。 ホームページでは事例等も紹介していますので合わせてご覧ください。 design studio bAOBab