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【展覧会レポート_02】子どものための建築と空間展

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先日、パナソニック汐留ミュージアムで 24 日まで開催されている「子どものための建築と空間展」に行ってきた。展覧会概要には「私たちが子どものとき過ごした空間は、原風景として長く記憶にとどまり、その後の生き方や考え方の形成に与える影響は少なくありません」とある。確かに自分自身を振り返ってみれば、小学校はすでに鉄筋コンクリート造の建物でしたが、中学は 2 年まで木造校舎で過ごしました。その経験とともに地元には日本最古の洋風木造校舎が残っていることもあり、自然と木造校舎には惹かれる自分がいます。 明治から始まる近代教育その時代のニーズや時代背景 明治、大正、昭和、平成という時代を通じて子どものための建築のあり方の変遷を見ることができた。 展示されていた建築のうち、いくつかは実際に見学したこともある。 また設計事務所に勤めていた時、担当ではなかったが、基本コンセプトの形成から竣工に至るまで、小中学校の設計の大変さ知っているので、そこに込められたいろいろな人たちの思いを少なからず感じる取れた気がする。 中でも和歌山県の橋本市立高野口小学校は 1937 年(昭和 12 年)にできた大規模木造の小学校で、重要文化財に指定され、現役小学校として使用されていることに感銘した。時代変化が激しい現代において 80 年以上経過してもなお、使い続けることはなかなか難しいことである。地元では改修か建て替えか議論もあったようだ。 単純に文化財的価値があるからといって残すにも地元に住む人々の声は十分に聞くべきである。今後、古い建物の活用方法については単純に建て替えをするだけではなく、用途変更によってよみがえることも可能であるから、様々な視点から考慮すべきであろう。 展示にはありませんでしたが、日本最古の現役木造校舎として知られていた高梁市立吹屋小学校は、児童数の減少によって 2012 年3月に廃校になりました。しかし文化財的価値を後世に残すために 2020 年には資料館としてオープンする予定だそうだ。 展示には現存しないものも含まれてはいたが、できれば学び舎はいつまでも残っていてほしい建築の一つだと思う。 展示内容は建築の図面や模型だけでなく、遊具や教育玩具、絵本の原画なども展示されていて幅広い展示内容となっていました。 きっとこんな学校に通っていたら、通ってみたかったという建築が

【歳時記_03】春分 2019

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今日は春分の日。 立春から春分の間に吹く風速8m/s以上の南風で、前日よりも気温が上昇する状態だと記憶しているが、今日はかなり風が強いけれど、春一番なのだろうか?と思っていたら、もう既に関東では春一番が吹いていた。 中国地方は今日、去年より35日遅い春一番が吹いたということだ。 前日、お預けになっていた東京のソメイヨシノも開花しました。 平年より5日早く、昨年より4日遅い開花だそうだ。来週末が満開ですね。 いよいよ春本番です。

【コラム_05】東日本大震災から8年が経過しました。

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東日本大震災が発生してから8年が経過した。 いまだ避難生活を余儀なくされている方も多くいらっしゃる。 震災後2ヶ月目に書いた文章を改めて、自分自身にその時の気持ちを忘れないようにここに再掲することにしました。 マグネチュード 9.0 という観測史上最大の地震が発生して早くも2ヶ月が過ぎました。
当初は目の前にあったはずの町が津波によって一瞬にして瓦礫の山と化し、日常生活を奪いさる映像を目の当たりにして、為す術もない人間の無力さにただ呆然とするばかりでした。しかし時間の経過とともに復旧から復興へと気持ちがシフトしてきている被災地の様子をニュースで見ていると逆に勇気づけられる思いです。
気象庁によれば5月6日15時現在、これまでに発生した余震は、M 7.0 以上は5回( 7.7 、 7.5 、 7.4 、 7.1 、 7.0 )、M 6.0 以上は 76 回、M 5.0 以上は 444 回です。また、最大震度4以上を観測した余震は 140 回ということです。過去におきた他の地震に比べ余震の多さは桁違いで、まだ今後も大きな余震が起きる可能性もゼロではない状況にあります。日本がいくら地震国とはいえ、これほどの回数の地震は未経験で、過去の同規模の地震からすれば最大余震は本震―1程度の規模が多いといわれていて、今回もまだ安心していれる状況にないので注意が必要です。
 地震発生時、自分はちょうど外を歩いていた最中で、建物から人があわててたくさん出てきたので一瞬何が起こったのか分かりませんでした。ところが目の前のペンシルビルが隣のビルにぶつかるくらい揺れ、ガラスが音を立て今にも割れそうな勢いだったので、すぐその場を離れ、広い通りにでました。すると中高層のビルも大きく揺れていて、これはただ事ではないとその時感じました。自分でも意外と落ち着いていたのですが、もしこれが建物の中や高層ビル、地下やエレベーター、電車の中などであったらどうだっただろうか、と思うとあまり想像したくはないけれど、パニクっていたかもしれません。 今考えると外を歩いている最中は、揺れに対しては鈍感だったのが幸いして落ち着いていれたのかもしれません。家に戻ってみると意外と物が落ちていなかったので安心しましたが、テレビの画面に映し出された映像からはその事の深刻さに目を奪われ、報道している側の緊迫感が

【展覧会レポート_01】インポッシブル・アーキテクチャー展

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先週の日曜日に埼玉県立近代美術館で開催されている「インポッシブル・アーキテクチャー」展に行ってきた。 約5年ぶりになるだろうか、天気も良く日曜日とあって、公園内は多くの子供連れの家族で賑わっていました。美術館も混雑しているかと心配しましたが、思っていたほどの混雑もなく、じっくり見ることができました。 ご存知の方も多いと思いますが、建物は黒川紀章氏による設計で、格子状の外観が特徴的です。今から35年以上前の1982年に開館しました。また公園内には黒川氏が設計した中銀カプセルタワーの住戸ユニットが野外展示されています。興味のある方は北浦和駅からすぐ近くなので、訪れてみるのもいいかもしれません。 そう言いながら個人的には、今までは訪れる機会が少なかった美術館のひとつです。見てみたい展覧会があまり開催されないのも一つの理由かと思う。常設展もあるのでたまに足を運べばいいのだけれど、なかなか行けてませんね。 埼玉県内にある県立の美術館はこの近代美術館だけで、公立、私設の美術館を合わせても関東の他県に比べると少ない県です。 人が集まる話題の展覧会を開催するのは苦労も多いけれど、駅前のアクセスのしやすさを考えると、もう少し話題性の高い展覧会が多く開催されればと内心思っています。 さて前置きはこのくらいにしましょう。 「インポッシブル・アーキテクチャー」展ですが、タトリンの第3インターナショナル記念塔、ブルーノ・タウトのアルプス建築、ミースの摩天楼のコンペ案、メタボリズムにアークグラム、そしてデコンストラクティビズムと学生時代に学んだ建築、そして同時代の建築作品も並んでいた。少し学生時代の復習をしている感じもしたし、中には勉強不足で知らない作品も展示されていました。 タイトルであるインポッシブルとは単純に訳せば不可能ということだが、そこに込められたメッセージはなんだろうか。 カタログにある主催者のあいさつ文にはこうある。 「建築の歴史を振り返ると、完成に至らなかった素晴らしい構想や、あえて提案に留めた刺激的なアイデアが数多く存在しています。未来に向けて夢想した建築、技術的には可能であったにもかかわらず社会的な条件や制度によって実現できなかった建築、実現よりも既存の制度に対して批評精神を打ち出す点に主眼を置いた提案など、いわゆるアンビルト/未

【歳時記_02】啓蟄 2019

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今日は二十四節気の啓蟄。 大地が温まり、冬眠をしていた虫たちが穴から出てくる頃とされ、「暦便覧」には『陽気地中に動き、ちぢまる虫、穴を開き出ずればなり』とあります。 確かに自分自身の体の動きも少し良くなってきているし、空気も真冬の冷たさというよりも春の暖かさを感じ始めています。 気温も冬に比べれば高くなっているし、暦の上では春が近づいてきている。しかしまだ寒い日もあり、寒暖差が激しい日々が続きそうですね。 こういう時期の体調管理にはお気をつけください。 あと2週間もすればソメイヨシノが開花するし、春本番まで少しの辛抱です。 さて今年の桜はどこに行こうかなぁ。

【Topics_02】住みたい街ランキング2019

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先日、「住みたい街ランキング2019」関東版が発表されましたね。 1位、2位、3位は昨年と同様の横浜、恵比寿、吉祥寺という結果となっています。 注目すべきは、4位に昨年9位の大宮が入り、浦和も昨年10位から2ランクアップの8位と、ともにランクアップしていることです。 利便性は昔に比べれば上がっているし、住みやすい環境が出来上がってきていると思います。また商業施設の進出によって、わざわざ都心に出向いて買い物しなくても良くなってきているからかもしれません。 特に浦和は近年、駅周辺の開発によって元々ある伊勢丹に加え、PARCO やアトレができたり、駅がリニューアルして新宿湘南ラインが停車したり、かなり利便性は上がっています。 他にもリムジンバスなどの羽田空港へのアクセスの利便性の向上や特に大宮駅はエキュートによる駅ナカの充実と東北・北海道、山形、秋田、北陸・上越新幹線が停車するため、ハブステーションとしての役割も大きく、今や東日本への玄関口となっています。 まだまだベストテン入りした他の街に比べてオシャレ度は高くはないように思えますが、注目されているだけでも嬉しいですね。 奇しくも埼玉県がディスられまくっている『翔んで埼玉』が大ヒットしている中でのランクイン。まだ映画は見ていませんので、感想等は書くことはできませんが、埼玉県や埼玉県の街が注目され、住みたい街ランキングの常連になってくれればと思います。 東京のベッドタウンとしての役割を担ってきた街ではありますが、他の地域に比べ全国的に有名な名所、名物が多くあるわけではないので、これから魅力ある街であり続けるためにはいろいろと大変な面もありますが、さらなる魅力度アップに期待したいですね。 「住みたい街ランキング2019」関東のベストテンは以下のランキンキングになっています。 1(1) 横浜 2(2) 恵比寿 3(3) 吉祥寺 4(9) 大宮 5(7) 新宿 6(4) 品川 7(8) 目黒 8(10)浦和 9(6) 武蔵小杉 10(14) 鎌倉 11位池袋がベストテン落ち 詳しく知りたい方は こちら を参考に