昨日の日経新聞に全国の空き家を市区町村別に見たランキングが掲載されていた。 2018年に総務省から発表された住宅・土地統計調査の確定値に基づいて分析されたものだ。住宅・土地統計調査は5年ごとに実施されている統計調査で、住宅数、空き家数、建物の構造や建て方、建築の時期などの結果が提供されます。 居住者がいない住宅のうち、リゾート地などに多い別荘を除いて算出したものだそうだ。 最も空き家数が多いのは東京都世田谷区で49,070戸、続いて東京都大田区の48,080戸となっていた。空き家数ベスト10のうち3つが東京23区を占めている。東京都心の住宅地においても空き家問題が顕在化してきている証拠といえるかもしれない。 空き家率では北海道が3市はかつて炭坑で栄えたところで、石炭産業の衰退によって住民が減って、空き家になった家が多く残っている様子がうかがえる。 2018年の住宅・土地統計調査では総住宅数は6240万7千戸、総世帯数は5400万1千世帯。5年前の2013年に比べ、総住宅数は177万9千戸、総世帯数は154万9千世帯増だという。 総住宅数に対し、総世帯数は1968年にすでに逆転し上回っている。 空き家の総数は848万9千戸。 ただ空き家といってもその中には二次的住宅(つまり別荘、たまに寝泊まりしている住宅)、賃貸用住宅、売却用住宅(新築、中古)、それ以外に人が住んでいない住宅、また空き家の判断が困難な住宅(調査できないものなど)を含むものはその他の住宅に数えられている。 したがってこの数字がすべて空き家かというとそうではない。 空き家のうちほぼ半数の432万7千戸が賃貸用住宅である。また4割の348万7千戸がその他の住宅となっている。 数字自体を鵜呑みにするのではなく、傾向として捉えるべきである。様々な統計が存在しているが、数字だけが一人歩きする場合が多々ある。 空き家数も同様で、実際はもう少し少ないのではないだろうか。地域によって事情は異なるため、はっきりとした数字はわからないようだが、空き家率も全国平均は10%前後ではないかという人たちもいる。 統計自体どういう意図でなされたものか理解することで、数字に踊らされることなく、冷静に対応していくことが大切だと感じている。 単に数字を減らすだけの問題ではなく、ハード、ソフトの両面か